あと数日で母になってしまう(予定)。
カメラロールを見返したら、去年の11月14日は夫と島根にいた。最終日、美保館をチェックアウトして飛行機に乗った日だった。
夕方になると海から民謡が流れてきて、エモくて死にそうになった美保館。最高だった。
自分が生まれ育った瀬戸内海ではないけど、海のそばにいた日のまる1年後に出産できるのはなんだか嬉しい。
もし2人目を作るとなったら妊娠期間中も子育てをしているわけで、今とは状況が違う。
もうすぐなくなる胎動を感じながら、何もしなくてよく、好きなものを食べて一日一日を消費する日々は人生に今しかない。
こんなに生きていることを意識する日々ってあんまりない。
妊娠中も安定期の頃は、もちろん体調不良とかで生きてる感はあったけど、生まれるのはまだまだ先だし、体の自由もきいたので、非妊娠時のマインドにやや近かった。
でも今は明らかにお腹が大きくて、少し歩けばしんどくて、家事すらできなくて夫に頼ってばかりで、生物としての弱さが際立っている。
もう臨月で、予定帝王切開なので産む日も決まって、ほんとにあと数日だけの日々を噛み締めて、噛み締めて生きている。
なんにもしてない日々なのに、ただひたすら寝て、広告が死ぬほど出てくるスマホゲームをして、令和の虎とか見てるだけなのに、それでも毎朝起きたら人生が煌めいている、不思議。
終わりが見えているからだろうな。
これが妊娠してなくて単なるニート生活だったら、かなり病んでるに違いない。。
同じ現象でも前提や光の当て方で全く違うふうに見えるものだよね。まさにBoth Sides Now。
なんにもなく過ごす日も、帝王切開をする日も、一日は同じ24時間。どんなに怖くても、気合い入れても、その一日は必ず終わる…そして終わったら母になっているという仕組み…。
自分でももはやどういう日記なのかわからないが、とにかく今の心情はこんな感じだ…。。
どんな親になるのか、どんな子が育つのか、未知数すぎてわからない。
毎日をいっぽいっぽ、ひとつずつやっていくことしかできない、ってことしか、わからない。
子供を持つ家庭が実質増税されてしまうこの国で。子を持つ人、持たない人、結婚する人しない人で分断されてしまうこの国で。
産むことがよいことか、悪いことかもわからない、暴力といわれれば暴力でしかないし、そこに言い返す言葉もないけど。
自分の人生をできるだけ色とりどりにしたかった、ただそれだけのエゴかもしれないけど、でもやっぱり人が生まれてくることは奇跡だと思う。ほんとに。
ポエムとかでなく、いくら普通に作ってもできなくて、医療の力に頼ったらポンってできた小さないのち。
肉眼では見ることすらできないほど小さなたまごを、体に入れたらそれがお腹の中で奇跡的に育った。保険で3割負担になったおかげでできたようなもんである。
その命が、流産とかの確率だってそれなりにあるのに、必死で張り付いて10ヶ月目を迎えた。
私も夫もそれぞれの親の子として生まれてきて、その親もその親の子として生まれてきて、先祖に感謝とか全然してないけど、作ろうと思った人同士が命を繋ぎあって、たまたま私たちの子供の代までたどり着いたというのは奇跡としか言いようがないと思う。
無かった場所に命が生まれて、その命には考える力があって、いろんな想像をしたり食べたり働いて経済活動をして、また命を作ろうかなってなるのはすごいことだと思う。
こんなに命の繋がりとか、考えたことはなかった。
誰のおかげでもなく生まれてきて、産み落としやがってと思ってたくらいだけど。
能動的に命を残そうと思った人がいたから、それがたまたま連綿と続いてここに自分の命があるとか、そう言われてもピンと来なかったよね。
ひとつの命を産むことがこんなに大変って体感したら、やっとそれがわかってきた。
前も書いた気がするけど、そこらに歩いてる人もみんな誰かが生んだ命、、
どんな育ちかはわからないけど、小さい頃それなりに手をかけられ、死なないように育てられたいのちなのだ、、、
引きこもりのニートのおっさんも、推し活に沼る女子も、じいさんもばあさんも岸田さんも私も夫もねこも…
そう思うと、ほんとに産んだ人お疲れ様です。と思う。それくらい、特に臨月ってなんもできないし、出産だってまだ未体験だけどとんでもないことだし、金だってかかるし、正味何の得もないのによく女の人達は命を繋いできたよなって思う。
こんなに大変なら、それ以外の背負えるものは全部父親が背負ってくださいね!それやってすら等価とはいえないですよ!😡って気分にもなる。
なんせ出すだけだからな。。
ほんと、こんなに大変なこと、なんで女たちはやってこれたんだろう?笑
あと数日で母になる、まだ母ではない自分は色々なことを考えるなぁ。体が動かない分、脳は思考がたくましく、幽体を錬成できそうなほどにいろいろなことを考えている。
本当に貴重でスピリチュアルな数日間だと思う。